2023年は物価上昇が顕著な年になりました。
金の価格も史上最高値を更新し続けています。
どうしても私たちは、法定通貨を中心にものを考えがちですが、長い歴史の中で価値の中心となり続けているもののひとつに金(ゴールド)があると思います。
そこで、今日はゴールドを中心として、法定通貨や仮想通貨の価値を見てみました。
ドルの価値は23年間で14%になった?
2023年12月15日の終値で、金先物は、2033ドル/トロイオンスになっています。
同じ金先物の2000年1月の価格を見てみると291ドル/トロイオンスです。
法定通貨を中心としてゴールドの価格を見ると、この23年間で、価格が6.98倍になっていることになります。
この逆に、金が一定の価値を持っていて、法定通貨の価値が変動するというものの見方をすると、米ドルの価値が2000年と比較して、6.98分の1=14.3%になっているとみることもできます。
Gerd AltmannによるPixabayからの画像
日本円の価値は23年間11%になった?
同様に、日本円と金を比較してみましょう。
田中貴金属店のサイトで調べてみると、2000年1月の金の価格は、1014円/グラム(税抜き)になっています。
一方で、2023年11月の価格は、9604円/グラム(税抜き)となっています。
日本で金を購入すると、消費税がかかるため、税込み価格でみると、税率の変化も価格に影響を与えてしまいます。そこで、価格は税抜きで見ています。
比較すると、9.4倍になっていることがわかります。
ドルよりもさらに価格差が大きくなっている理由としては、2000年ごろは円高傾向で、2023年は円安傾向と、ドルに対する円の価値も落ちていることがあげられると思います。
ドルと同じように、金を中心に日本円の価値を見てみると、9.4分の1=10.6%になっています。
金銀レシオと金とビットコインの比較
ビットコインとゴールドの価格を比較してみました。
金と銀の比率を比較する金銀レシオというものがあります。他の貴金属と比較して金の価格の上昇率が高くなっているということは、他の貴金属よりも金が買われていることを示しているため、なんらかの緊張の高まり、質への逃避を表す指標とされています。
金銀レシオは、80を超えるとなんらかの危機の兆候とされています。
金銀レシオが80を越していた時期を見てみると、1935年から1943年ごろ、1989年から1993年ごろ、2018年から2020年ごろとなっています。
ちなみに2023年12月15日時点では、金銀レシオは84で、80を越しています。
この時期を考えてみると、1935年から1943年は第二次世界大戦の直前期、1989年から1993年は日本のバブルからバブル崩壊期となっています。
ある意味で世界経済が大きく変化する時期に金銀レシオが80を越していることがわかります。
直近では2018年から金銀レシオは上昇してきており、大きな世界情勢の変化の前兆となっているのかもしれません。
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